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物流コラム

半導体製造装置輸送の完全ガイド|梱包・温湿度・振動対策を網羅的に解説

DX推進やAIの活用促進、電気自動車市場の活性化などを受け、半導体需要が高まる中、半導体製造装置の需要も高まっています。半導体製造装置の輸送の機会も増加していると考えられますが、輸送時には課題があります。

今回は、半導体製造装置輸送の需要増加の背景から、輸送時のよくある課題、半導体製造装置輸送の梱包方法や温湿度対策、振動対策、半導体製造装置輸送を成功させるポイントまで解説します。半導体製造装置の安全かつ効率的な輸送方法をお知りになりたい方は、ぜひご覧ください。

半導体製造装置輸送の需要増加の背景

半導体製造装置の概要と輸送の需要増加の背景を解説します。

半導体製造装置とは

半導体製造装置とは、半導体を製造する装置です。半導体とは、電子機器や装置において中心的な役割を果たす情報の記憶や計算、論理演算などの情報処理機能を有する集積回路です。

素材としては、シリコンなどの物質であり、電気を通す導体と、ほとんど通さないゴムなどの絶縁体の中間的な性質を持ちます。

その半導体を製造するためには、さまざまな種類の製造装置が必要です。各材料膜を形成する装置や微量不純物の添加装置、組み立て装置、検査装置など、半導体製造装置には多様な種類があります。このような半導体製造に必要な装置の総称が半導体製造装置です。

半導体製造装置輸送の需要増加の背景

近年、半導体製造装置の輸送に関する需要が増加しています。その背景として、半導体需要の増加により設備投資も活発になっていることが挙げられます。

半導体はスマートフォンやPC、テレビ、LED電球などの我々の生活に欠かせない製品のほか、医療機器や自動車の制御システム、産業用ロボットなど、医療や車、産業分野にも使用されています。こうした需要増加の現状から、半導体産業は急成長しています。

半導体製造装置輸送の需要も高まっており、物流業界でも半導体製造装置輸送の機会が増えました。しかしながら、半導体製造装置は精密機器であることもあり、注意しなければならない点が多く、専門的な技術と知識が求められます。

半導体製造装置輸送のよくある課題

半導体製造装置輸送を進める際には、次のような課題に直面することが多くあります。

振動や衝撃に非常に弱い

半導体製造装置は、緻密な設計による精密機器の一種であることから、少しの振動やホコリ、静電気などにも非常に敏感です。梱包、輸送には細心の注意を払わなければなりません。つまり専門知識と共に高い梱包・輸送技術、実績が求められます。

温度変化に大きな影響を受ける

半導体製造装置は温度変化にも大きな影響を受けます。例えば輸送中のルートによっては外部環境により高温多湿な環境にさらされることがあります。また輸送中のトラックやフェリー内では温度が上昇することもあり、入念な対処が求められます。

湿度管理が求められる

温度だけでなく湿度も管理が必要です。あまりに湿度が高すぎると装置内部の腐食などが生じることもあり、サビなどのリスクもあります。また湿度が低いと静電気発生のリスクもあり、徹底した湿度管理も求められます。

半導体製造装置輸送の梱包・温湿度・振動対策

半導体製造装置輸送の梱包・温湿度・振動対策を紹介します。

梱包対策

半導体製造装置輸送の梱包は、ケース梱包やスキッド梱包が一般的です。

ケース梱包とは、密閉木箱梱包とも呼ばれる方法で、機械などの重量物梱包に用いられています。ケースの中に入れて密閉することから、雨やホコリなどのダメージから製品を保護します。また盗難防止にもつながります。

また梱包作業自体は、ホコリなどの混入を防ぐために、クリーンルームなど防塵設備の整った作業場で行う必要があります。

スキッド梱包とは、単面形パレットであるスキッドに載せて固定する梱包方法で、ケース梱包より保護性は下がります。輸送品質の良いフェリー輸送では、スキッド梱包のような簡易梱包で輸送可能です。

輸送時の振動対策

輸送時の振動は徹底して防ぐ必要があります。そこで輸送時の振動対策としてよく利用される方法をご紹介します。

・フェリーのRoll-on/Roll-off荷役方式
フェリーのRoll-on/Roll-off荷役方式とは、「トラックの乗り込み=Roll on(ロールオン)」と「トラックの下船=Roll off(ロールオフ)」をして荷役を行う方式です。つまり、フェリーにトラックやトレーラーが自走して乗り込んだ後、荷物の積み降ろしを行う仕組みになっています。

トラックやトレーラーが乗船した後は、荷物を積んだ台車を船に積載し、前方の運転席部分は切り離して下船します。

この方式は、荷物の直接的な積み降ろし作業が不要になるため、作業時の振動や衝撃を大幅に抑えることが可能です。

・振動や衝撃をやわらげるエアサス車
エアサス車とは、エアサスペンション付きシャーシを指します。エアサスペンションとは、空気のバネを意味するサスペンションで車体の高さを調整し、走行中の衝撃を和らげる車用の装着部品です。エアサス車では、振動や衝撃をやわらげながら輸送することができます。

温湿度管理対策

温湿度管理を行うためには、次の対策が挙げられます。

・空調装備の大型トラック
温湿度管理には、空調を装備している大型トラックで輸送することも有効です。

・温度管理が可能なリーファーコンテナ
リーファーコンテナとは、冷凍・冷蔵貨物の輸送に利用される特殊なコンテナのことであり、冷凍機を内蔵しており、断熱材で囲まれています。そのため、一定の温度にコンテナ内を保つことが可能です。

・温度と湿度ともに管理可能な特殊コンテナ
温度だけでなく湿度も管理できる特殊コンテナを利用する方法もあります。

半導体製造装置輸送を成功させるポイント

半導体製造装置輸送を成功させるポイントは、「適切な輸送業者を選定する」ことにあるといえます。そこで、適切な輸送業者の選定基準をご紹介します。

実績の豊富さと信頼性

先述の通り、半導体製造装置は繊細であることから、適切で丁寧な梱包や輸送時の振動対策、温湿度管理を徹底する必要があります。そこで半導体製造装置の特性をよく知っており、安心・安全に輸送してきた実績が豊富な輸送業者が第一選択肢となるでしょう。また、会社のみならず、対応する人員の信頼性も確認しておくべきでしょう。

独自の梱包・温湿度・振動対策体制

半導体製造装置輸送の実績を踏まえ、独自の最適化された梱包・温湿度・振動対策体制を有する輸送業者があります。最適化された方法を駆使して半導体製造装置輸送を実施してくれることから、安心して任せることができます。

海外輸送への対応

海外へ輸送する必要がある場合に、対応してくれるかどうかは重要なポイントです。海外輸送に不慣れな輸送業者よりは、フェリー輸送などの国際物流に強い輸送事業者を選ぶことで、結果的に、コスト削減にもつながるでしょう。

まとめ

半導体製造装置輸送の需要増加を受け、輸送の機会も増えている中、梱包方法や温湿度対策、振動対策を徹底して行うことが求められます。半導体製造装置の安全かつ効率的な輸送を実現するために、ポイントを踏まえて、最適な輸送業者を選定しましょう。

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