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物流コラム

モーダルシフトの船舶輸送が物流課題を解決できる理由とは?種類から船舶の活用方法を解説!

国内の物流は物流2024年問題やEC事業の拡大による取扱量増加、CO2排出量の削減、人手不足の深刻化までさまざまな課題に直面しています。

今回は、物流を取り巻く現状課題から、解決策の一つとしてのモーダルシフトの船舶輸送が有効な理由をご紹介します。また船舶輸送に取り組む際に知っておきたい船舶輸送の種類や有効活用法もあわせてご紹介しますので、ぜひご覧ください。

物流を取り巻く現状課題

物流を取り巻く現状課題を列挙します。

CO2排出量の削減

国土交通省の統計によれば、2023年度における日本国内のCO2排出量のうち、運輸部門からの排出量は19.2%を占めており、産業部門の34.3%に次いで二番目です。地球温暖化が深刻化する中、物流はCO2排出量の削減が急がれています。

出典:国土交通省「環境:運輸部門における二酸化炭素排出量」

物流2024年問題と輸送コスト増加

物流2024年問題とは、トラックドライバーの労働時間の上限規制が適用された2024年4月以降に生じる諸問題を指します。トラックドライバーの労働時間が減ることで「ものが運べなくなる」懸念や、コスト増加や効率化の必要性などが問題視されています。

人手不足の深刻化

トラックドライバー不足は従来から問題視されていましたが、労働時間の上限規制を受け、さらに深刻化していくと考えられます。

EC事業の拡大による取扱量増加

新型コロナウイルスのパンデミックを受け、急速に拡大したEC事業による荷物の取扱量が増加しました。これにより、物流の見直しを図る必要性が増しています。

積載効率の低下

EC事業の拡大は、輸送の小口化、少量多頻度などにつながっており、トラック輸送時の積載効率の低下が問題視されています。物流2024年問題や物価高騰などを受けた輸送コスト増加を受け、積載効率の向上は急務となっています。

物流課題をモーダルシフトの船舶輸送が解決できる理由

これらの物流課題は、モーダルシフトの船舶輸送が一つの解決策となります。

モーダルシフトとは?

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を、鉄道や船舶、飛行機の利用へ転換することを指します。

モーダルシフトの船舶輸送で物流課題を解決できる理由

船舶輸送が物流問題を解決できる理由として次の点が挙げられます。

・CO2排出量の低減
トラックから排出されるCO2への影響が問題視される中、船舶と陸送を組み合わせたモーダルシフトはトラックによる陸送を減らすことから、CO2排出量の低減につながります。

・ドライバーの業務負荷低減・労働時間の短縮化
船舶輸送の場合、例えば、港まではトラックで陸送し、そこから先はドライバーが乗船せずトレーラー部分のみを船で運ぶ『無人航送』を活用することで、ドライバーの業務負荷と労働時間を低減できます。その結果、労働環境がよくなると考えられます。

・高積載率・高輸送効率・コスト削減
船舶は大量の貨物を積むことができ、積載率も高めることが可能です。高い輸送効率により、船舶はトラックと比べてコスト削減が期待できます。

船舶輸送の種類

船舶輸送にはさまざまな種類があり、輸送方法にもバリエーションがあります。船舶の種類や航送方法を見ていきましょう。

船舶の種類

・フェリー:特定航路のみを定期的かつ定時間で往復運航します。スケジュールが固定されており定時での輸送が可能です。旅客と貨物輸送を併用し、トラックやトレーラーなどの車の搭載が可能です。

・高速フェリー:トラックやトレーラーなどの車の搭載が可能であり、フェリーよりも高速であるため、リードタイム削減を実現します。

・RORO船:「Roll-On/Roll-Off Ship」を指し、貨物を積んだトラックやトレーラーのシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶です。Roll-On(ロールオン)とは船舶に載せることを指し、Roll-Off(ロールオフ)とは下船することを指します。

トレーラーは、運転席やエンジンがある「ヘッド」と、貨物を積む部分「シャーシ」で構成されています。出発地の港で、トレーラーヘッド(運転席部分)が貨物を積んだシャーシ(荷台部分)を船に乗せた後、ヘッドはシャーシを切り離して船から降ります。目的地の港では、別のトレーラーヘッドが船内のシャーシと連結して下船し、そのまま陸送を開始できます。

コンテナ船がフォークリフトなどを使ってコンテナを積み込むのに対し、RORO船は貨物を積んだ車両ごとに乗り降りするため、迅速・容易・安全な荷役が可能です。基本的に貨物船なのでフェリーとは異なり、定員は12名以下となります。

・コンテナ船:専用のコンテナに貨物を収め、コンテナを船舶の甲板上に積み上げて輸送します。フォークリフトなどでコンテナを取り扱うため荷役時間がかかりますが、RORO船と比べて積載効率が高くなります。

無人航送と有人航送

フェリー輸送には、トラックなどの車両のドライバーが乗船するかどうかによって分かれる無人航送と有人航送があります。

・無人航送:フェリーやRORO船で輸送する際に、ドライバーは乗船せず、貨物を積んだトレーラーのみを輸送する方式です。トレーラーのシャーシのみが乗船し、トレーラーのドライバーはヘッドのみで下船するため、船上では無人となります。

・有人航送:トラックと共にドライバーが乗船する方法です。フェリーには、ドライバーが船内で快適に過ごすことができるドライバーズルームがあるため、休息が可能です。

船舶輸送の有効活用法

船舶輸送は、ただ利用するだけではなく、工夫をすることでリードタイム削減やコスト削減、輸送品質向上などの有意義な活用が可能です。

高速フェリーを利用し、リードタイムを安定化

船舶輸送は陸送と比べてリードタイムが長くなるイメージがありますが、必ずしもそうなるとは限りません。船舶の中でも高速な高速フェリーを利用することで、リードタイムを安定化できます。

共同配送を併用してコスト削減

共同配送とは、複数の荷主企業が連携し、同じトラックやトレーラーに貨物を積載して配送する方法です。トラックなどの台数を減らせることから物流コストやCO2排出量の削減に有効とされています。この共同配送を船舶輸送と柔軟に組み合わせることで、コスト削減が実現できることがあります。

エアサスを搭載したトレーラーによる振動低減

エアサスとは、エアーサスペンションの略称です。サスペンションとは走行時の車体の振動を軽減させる装置で、従来は板バネが使用されていましたが、現在ではエアーサスペンションが主流となっており高いクッション性を持たせることができ、振動を軽減します。このエアサスを搭載したトレーラーを利用して陸送することで、船舶輸送全体の振動を低減させられます。

フェリー輸送の有人航送でドライバーの労働時間削減

有人航送では、ドライバーの乗船時間は原則として休息期間として取り扱うことが可能です。そのため、船舶輸送を行う事で日、週、月間、年間の拘束時間の上限を遵守しやすくなるでしょう。有人航送では、快適に過ごせるドライバーズルームなどが用意されている場合が多く、ドライバーは船内でゆっくりと休息できます。

まとめ

物流にまつわる課題は多岐に渡りますが、それらの課題の多くの解決に役立つのがモーダルシフトです。

モーダルシフトの中でも船舶輸送は、排気ガス(二酸化炭素)排出量低減による環境対応、ドライバーの業務削減や労働時間の短縮化などによる物流2024年問題への対応、物流効率やコスト削減に寄与する高積載率・高い輸送力、輸送効率の向上、輸送コストの効率化などのメリットを兼ね備えています。

より効率的な船舶輸送をご検討されている方は、関光ロジNEXTにおまかせください。

長距離フェリー輸送のパイオニアとして北海道から九州までの海陸一貫輸送対応が可能です。無人航送によるモーダルシフトの実現からコスト削減、CO2削減を始めとする環境負荷軽減を目指し、異業種共同輸送などお客様の物流効率化に貢献いたします。

関光ロジNEXTのフェリー輸送
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