輸出梱包の最適化でコスト削減と安全を両立!フェリー輸送でリスク低減

海外への輸出ビジネスを進める企業にとって、梱包は輸出先へ無事に商品を届けるために重要です。その輸出梱包は、どのように最適化できるのでしょうか。また安全性を担保しつつ、できるだけコストは抑えながら実現したいものです。
そこで今回は、輸出梱包の特徴から種類、処理方法、輸出梱包の課題と解決策、輸出梱包のリスクを減らすための方法として、フェリー輸送について解説します。
輸出梱包とは?特徴を解説
輸出梱包とは、日本国内から海外へ輸出する際に行う梱包です。日本から海外諸国へものを送る際には、船舶や飛行機を利用することになりますが、国内での輸送と比べて、破損リスクが高く、また長時間の輸送になるため、輸出に最適化された梱包が求められます。
輸出梱包の特徴
輸出梱包の特徴を詳しく見ていきましょう。
・輸送手段は船舶か飛行機でダメージリスクが大きい
輸出の際の輸送手段は船舶か飛行機です。また輸送距離や輸送時間が長いことから、貨物のダメージや破損リスクが国内輸送よりも大きくなります。
船舶や飛行機には、基本的に物をそのまま載せることはできません。梱包した上で、コンテナなどに格納し、厳重に保護した上で輸送します。
・フォークリフトや機材で運搬することを想定する必要がある
船舶や飛行機に貨物を積み込む際に、フォークリフトや機材で持ち上げることがあります。そのため、フォークリフトなどで運搬できるように工夫した梱包が求められます。
・重量によるコスト変動
飛行機の場合は、重量が大きくなるほど輸送コストが増すことがあるため、できる限り梱包を軽量にする傾向がありますが、ダメージや破損リスクが高まるため、コストと保護のバランスを取る必要があります。
・水濡れ・湿度対策も必要
輸送期間が長いと、より環境の影響を受けやすくなるため、水濡れや温度・湿度などの環境変化を想定した梱包も求められます。例えば温度差が生じると結露になったり、コンテナ船での輸送の場合、コンテナ内の湿度が100%となることもあります。そのため内容物への影響を踏まえて梱包材などを選ぶ必要があります。
・木材梱包材は植物検疫規制を受けることもある
木材の梱包材には病害虫の付着および病害をもたらす恐れがあるため、EU、米国、カナダ、韓国、オーストラリアなどの80ヶ国以上もの国は、木材梱包材についての植物検疫措置に関する国際基準ISPM No.15「国際貿易における木材こん包材の規則」を採択しています。よって該当国への輸出の際には、基準に則した熱処理や燻蒸処理といった消毒や表示などを行う必要があります。
輸出梱包の種類と処理方法
輸出梱包の種類と、処理方法をご紹介します。
輸出梱包の種類
・木箱梱包(ケース梱包)
密閉木箱梱包などとも呼ばれる方法で、6面すべてを木で密閉した箱です。ダメージリスクを極力低減することから、スタンダードな輸出梱包です。
・すかし木箱梱包(クレート梱包)
格子状に木を組み合わせて梱包する、隙間が空いた木箱です。木箱梱包と比べて、一部の保護で良い場合に適しています。輸出梱包としてよく利用されています。
・スキッド梱包
スキッドとは「腰下」のことで、木材やスチール製の貨物を置く台です。このスキッドの上に貨物を置いたら、ずれないように固定して梱包します。
・スチール梱包
木ではなくスチールを用いた梱包方法です。木箱梱包やすかし木箱梱包の木をスチールに変えることで、重量のある荷物の輸送梱包に向いています。
・パレット梱包
パレットとは、フォークリフトで運べる穴が空いている台のことで、素材は木材からプラスチック、段ボール製までさまざまです。段ボール箱などの貨物を複数パレットに組み付けて運びます。
・バリア梱包
防水性のあるアルミ製の素材で貨物を覆い、錆の発生を防ぐ梱包です。
・バンドル梱包
バンドルによって貨物を複数まとめて固定しただけの梱包方法です。パイプや金属の原材料、部品などに使われています。
・強化段ボール
段ボールの機能性を高めて強化したもので梱包する方法です。パレット梱包よりも高い強度が求められる場合などに利用されています。
木材梱包材の処理方法
木材梱包材の処理は主に熱処理と燻蒸処理があります。
・熱処理
加熱室に入れて、材芯温度を含む断面全体を摂氏56度以上で30分以上加熱する方法や、誘電加熱によって木材の断面全体を1分間、最低摂氏60度で加熱処理する方法があります。
・燻蒸処理
臭化メチル燻蒸処理と呼ばれる方法です。温度に応じて、48-64g/㎥で24時間に渡って燻蒸します。
輸出梱包の課題と解決策
輸出梱包にはさまざまな課題がありますが、解決策として次の点が挙げられます。
ダメージリスク
輸出時は国内輸送よりもダメージリスクが高いことから厳重な梱包や工夫が求められます。
解決策:梱包専門会社への委託、フェリー輸送
解決策として、輸出梱包を得意とする梱包の専門会社に委託すること、振動の少ないフェリー輸送を利用することの2点が挙げられます。フェリー輸送の特徴については後ほど詳しくご紹介します。
重量によるコスト変動
重量によってコストが変動する飛行機の場合は、コストが増すリスクがあります。
解決策:飛行機より船舶を選ぶ
飛行機よりも船舶を選ぶことで、コスト変動はそこまで大きいものにはならないでしょう。またフェリーによる大量輸送でコストダウンを図ることもできます。
木材梱包材の処理の必要性
木材梱包材は熱処理や燻蒸処理によって消毒する必要があります。
解決策:処理の不要な木製以外の材質を選ぶ、ワンウェイパレットを利用する
梱包材をプラスチックや金属などにすれば、処理は不要になります。
また、ワンウェイパレットと呼ばれる、「One-Way=片道」だけに使える、つまり輸出先で物を運び終わった後で回収しないパレットを利用する方法があります。そのまま現地で廃棄する使い捨てのパレットというとわかりやすいでしょう。段ボール製のパレットであれば廃棄しやすいといえます。
輸出梱包のリスクを減らすためのフェリー輸送
輸出梱包のリスクを減らすために、おすすめのフェリー輸送を見ていきましょう。
フェリー輸送が梱包リスクを減らす理由
フェリー輸送が梱包リスクを減らす理由として、次の点が挙げられます。
・低振動
大型フェリーによる輸送は、コンテナ船や航空機と比べて、輸送時の振動を抑えられることから、商品へのダメージが軽減されます。
・エアサスを搭載したシャーシの利用
さらに工夫をすることで、より輸送品質向上につながります。関光ロジNEXTでは、エアサス(※)を搭載したクッション性の高いシャーシを導入しており、海上部分においても振動を最小限に抑える仕組みを構築しています。
※エアサス:エアーサスペンションの略称。サスペンションとは走行時の車体の振動を軽減させる装置のこと。装置には金属バネが利用されるが、エアサスでは代わりにエアバッグを利用するため、高いクッション性を持たせることができ、振動を軽減する。
これらの点から、商品へのダメージが軽減され、荷崩れや破損のリスクも下がり、輸送品質の向上を実現します。
輸出梱包はダメージリスクを低減しながら強化すると同時に、よりリスクの低いフェリー輸送を利用することをおすすめします。
まとめ
輸出梱包には商品へのダメージリスク、重量によるコスト変動、木材梱包材の処理といった課題があります。このうち、特にダメージリスクやコスト面の課題解決にはフェリー輸送が大きく貢献します。
輸出梱包のリスクを減らしながら安全に海外輸出できるフェリー輸送については関光ロジNEXTにご相談ください。
大型フェリーによる輸送はコンテナ船輸送や航空輸送に比べ、輸送時の振動が非常に小さい事が特長です。輸送の大部分をフェリー輸送でおこなうことで商品へのダメージが軽減され荷崩れや破損のリスクも下がり輸送品質の向上が期待されます。
フェリー輸送についてご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社に最適な輸出の方法をご提案いたします。