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物流コラム

EC物流の仕組みを見直してコスト削減!
倉庫管理から配送までの課題と業者の賢い選び方

EC事業者の方にとって、EC物流の業務効率化を進め、最適化することはコストや顧客サービスなど多様な面でメリットがあります。
今回は、EC物流の仕組みの解説からEC物流の流れにおける課題、課題解決のポイント、賢い選び方を解説します。

EC物流の仕組みとは?

EC物流の仕組みを、EC物流の流れに沿って見ていきましょう。

1.入荷・検品

受注前にメーカーなどから商品を入荷しておき、検品を済ませておくのが一般的です。入庫伝票と商品の内容や数、品質チェックなどを行います。

2.保管・管理

商品を倉庫などに保管します。必要に応じて温湿度管理なども行います。このとき商品を格納しておく場所(ロケーション)の管理を徹底することで、保管や作業の効率を上げるため、出荷時のリードタイム削減などに直結します。

3.受注処理

顧客からの注文を受けて受注処理を行います。注文内容や在庫の確認、顧客情報の確認など一連の業務を通じて受注します。受注処理は一般的に受注管理システムなどのシステム上で行います。

4.ピッキング・流通加工

倉庫内の商品を出荷指示書に基づいてピッキングを行います。また必要に応じて商品に対してラッピングやラベル貼りなどを行います。ギフトラッピングもこのタイミングで行います。特にECでは個別対応が必要な頻度が多いため、流通加工の工程は重要です。

5.梱包・出荷

段ボール箱などで商品を梱包し、出荷します。梱包においては商品のサイズや重さ、破損しやすさなどを考慮して適切な梱包材や緩衝材を選ぶ必要があります。配送の途中で破損や水漏れなどのトラブルが生じないように配慮します。

6.配送

梱包した商品を配送業者などに引き渡し、トラックなどで顧客のもとへ配送します。ECの特徴として、リードタイムをできるだけ短縮することが差別化につながるため、できるかぎり迅速に配送することが求められます。

7.返品処理

顧客から返品や交換の申し出があれば受け付けて対応します。主な返品理由としては配送中に破損した、色やサイズが違ったなどが挙げられます。

EC物流の流れにおける課題

EC物流の流れにおいては、次の課題が挙げられます。

少量・配送先が多岐に渡る

EC物流の特徴として、個人宅に送ることが多い点から、一回に運ぶ荷物は少量となり、配送先は多岐に渡ります。頻度も高いため、個々の配送物に対して細かな対応が求められます。

個別対応が多発

個人がECで購入する際には「贈り物として購入したいのでギフトラッピングをしてほしい」「複数の商品をセットにしてまとめて購入したい」など、細かな要望が生まれることが多いため、個別に柔軟な対応を行う必要があります。

多種多様な業務への対応

EC物流は一般的な物流と比較し、業務の種類が多いといわれています。商品の種類が多く、特に食品や健康食品などは適切な温度や湿度での管理や賞味期限チェックの必要性があります。また個別の配送日時やラッピング対応などの対応によりさらに業務の種類が増えます。それらの業務に人手不足の中で対応することで、より負荷が増すでしょう。

コスト高騰

近年、物流業界では人手不足やトラックドライバーの時間外労働時間の規制などから配送コストが増大しています。また物価高騰などを背景に、倉庫の賃料も値上げ傾向にあり、コスト削減努力が求められています。 

保管用スペース不足

EC市場の拡大を背景に、倉庫などの保管用スペース不足が高じており、確保する必要があります。それにはコストもかかるため、有効な解決策をとる必要があります。

競合他社との差別化の必要性

EC市場の活性化から、競合他社と差別化の必要性も増しています。とりわけEC物流においては臨機応変かつ柔軟な個別対応に力を入れることが付加価値となります。差別化がおろそかになってしまうと競合他社に顧客が流れてしまうことになります。

EC物流の流れにおける課題解決のポイント

EC物流の流れにおける課題は、次のポイントを押さえて対応することで解決に近づくでしょう。

アウトソーシングによるリソース確保・リードタイム短縮

EC物流に関わるリソース不足が課題の場合、少量・配送先が多岐に渡る、個別対応の必要性、多種多様な業務などの課題はより一層、深刻です。そこで、リソースを補填するためにアウトソーシングを利用する方法が有効です。

今はEC物流に特化したアウトソーシング事業者も存在するため、委託先には困らないでしょう。また品質向上やリードタイム短縮などのEC物流効率化のメリットも期待できます。

ECサイトシステムとWMS(倉庫管理システム)の連携

システム利用は業務効率化の第一歩となり得ます。適切なシステム選定により、成果を最大化できるでしょう。一般的に、WMS(倉庫管理システム)の利用が進んでいます。WMSは、倉庫内作業の効率化を支援するシステムで、入荷・出荷管理から在庫管理、進捗管理まで一連の物流業務を一元管理できます。
ECサイトのショッピングカートのシステムと連携させられるものであれば、より利便性が高まり、一連のEC業務の効率化およびリードタイム短縮を実現できるでしょう。

配送形態の見直し

EC物流の配送プロセスにおいては、特に積載率向上やリードタイム削減などが求められます。そのため、配送を効率化するために、配送形態の見直しは一つの有効策といえます。

主な方法として、次の方法が挙げられます。

・共同配送:複数の荷主が荷物を同じ車両を用いて、同じ配送先へ運ぶ手法です。車両数とドライバーの人数を削減できるため、コスト削減につながります。またEC物流の多種多様な荷物の積載率向上を実現することで、リードタイム短縮にも寄与します。

・モーダルシフト:トラック等の自動車で行われている貨物輸送を鉄道や船舶の利用へと転換する方法です。近年はトラックの排気ガス排出量を削減できることから、環境負荷を抑えられる点が評価され、推進されています。

またモーダルシフトにより、トラックが運送する区間は、鉄道や船舶を利用する拠点までで済むため、ドライバーの労働時間と業務負荷を低減し、人件費の削減を実現します。その結果、運賃の効率化につながり、コスト削減となることもあります。

特に船舶のフェリー輸送は、通常の旅客輸送も行うため定期便が運行しており、貨物輸送のリードタイムの安定化を図ることができます。海上輸送は一般的にリードタイムが延びるイメージがありますが、例えば関光ロジNEXTのフェリー輸送では、積卸エリアにもよりますが、「九州⇔関西」は翌日AM着、「九州⇔関東」は翌々日AM着が可能です。そのため、陸送輸送と比較しても同様のリードタイムを実現できます。

EC物流業者の賢い選び方

EC物流をアウトソーシングしたり、運送会社に委託する際には、適切な業者選定が必要です。賢い選び方のポイントをご紹介します。

課題解決につながるか

いくら魅力的なサービスを展開している事業者であっても、自社の課題解決につながらなければ意味がありません。まず何よりも先に、自社が抱える課題を解決できるかどうかが重要です。

委託範囲は適切か

EC物流をアウトソーシングする場合に、サービスによって委託範囲が変わってきます。受注後の物流業務である入荷から検品、保管・管理、ピッキング・流通加工、梱包・出荷、配送、返品対応まで一連の業務の全部もしくは一部を委託することになります。自社が求める業務範囲を見極めることが重要です。

自社商品との相性はどうか

ECで取り扱う商品の特性に合わせて、専門的な知見や実績を持つアウトソーシング先や運送会社を選びましょう。特に食品においては温湿度管理や賞味期限への配慮などが求められるため、専門性の確認は必須といえます。

コスト削減・配送効率化につながるか

委託することでリソース最適化や業務効率化によるコスト削減、配送効率化やリードタイム削減などを実現するかどうかを検討しましょう。

梱包・流通加工の品質はどうか

梱包・流通加工の品質は、個別対応が求められるEC物流にとってより一層重要です。顧客満足度向上のためにも十分に確認しましょう。

まとめ

EC物流は、従来の物流と比べて細かな対応が必要になることもあり、多くの課題に直面しています。特に国際部門のEC物流においては、従来の航空輸送では「コストがかかる」点や、「大量の貨物をスムーズに通関させたい」「定時制のある輸送体制を構築したい」といった、より複雑な課題が浮上しています。

課題解決策として、アウトソーシングやWMS連携など様々ありますが 、こうした国際輸送の課題には「輸送手段の見直し」が有効です。

関光ロジNEXTではフェリー輸送サービスをはじめとする海上輸送ネットワークを通じて 、EC物流事業者さまのコスト、通関、定時制といった課題解決のお手伝いが可能です。貴社が抱える課題解決策のご提案も可能ですので、ぜひお気軽にお声掛けください。

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