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物流コラム

貨物自動車運送事業法とは?荷主が知るべき改正ポイントと遵守事項

物流業界は多様な課題に直面しており、物流の持続的成長のために物流に関わるすべての事業者が効率化を進める必要があります。このような背景を受け、政府はさまざまな施策を実施していますが、その一つが、2025年4月1日から施行された貨物自動車運送事業法の改正です。

主にトラックドライバーの荷待ち・荷役時間の削減や、トラックの積載率向上による輸送能力の増加などが目指されており、配送事業者はもちろんのこと、荷主企業も遵守すべき事柄があります。

今回は、貨物自動車運送事業法の定義と改正の概要のほか、改正のポイントと荷主企業が遵守すべきことを解説します。

貨物自動車運送事業法とは?改正で何が変わる?

貨物自動車運送事業法の概要と直近の改正についてご紹介します。

●貨物自動車運送事業法とは?
貨物自動車運送事業法とは、「貨物自動車=トラック」を用いた運送事業における基本ルールを定めた法律です。貨物輸送の安全を確保することを目的としており、貨物輸送の取引を適正化し、物流を効率化することが目指されています。一般的には「トラック法」と呼ばれています。

この法律は、トラック輸送などを担う運送事業者のほか、運送事業者へ委託する荷主企業も含めて遵守する必要があります。

●貨物自動車運送事業法の改正について
貨物自動車運送事業法はたびたび改正されていますが、2024年5月15日に公布され、2025年4月1日から施行された改正法は、荷主企業も対応すべき重要な内容を含んでいます。

同法と共に「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流効率化法)」も改正されました。物流効率化法は、物流の効率化を目指す法律です。

改正の目的は、物流の持続的成長を図るためとされています。

また改正の背景は、物流2024年問題と共に、貨物軽自動車運送事業者(軽バンや軽トラックなどの事業者)において死亡・重傷事故が6年で倍増している点などが挙げられます。物流2024年問題では、2024年4月からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制などの適用により、労働時間が短くなることで「ものが運べなくなる」ことや物流コスト上昇などの諸問題が生じています。こうした中、貨物自動車運送事業法の改正では、トラック事業者の取引の適正化などを進めています。

改正ではKPIが設定されており、施行後3年で2019年度比にて次の目標が掲げられています。

・荷待ち・荷役時間:年間125時間/人削減
・積載率向上による輸送能力:16%増加

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貨物自動車運送事業法改正のポイント

貨物自動車運送事業法改正のポイントをご紹介します。

1.トラック事業者の取引に対する規制的措置

●運送契約締結時の書面交付の義務化
運送契約の範囲や、運賃や料金の明確化をはかるため、トラック事業者と荷主企業は、運送契約を締結するにあたって、提供するサービスの内容やその対価などを記載した書面を交付することが義務付けられました。

従来は、荷主企業が運送会社へ運送を委託する際に、口頭のみで書面は交付しないこともありましたが、義務化されたことで、トラック事業者はさまざまなメリットが得られます。

例えば適正な運賃・料金の収受や契約にないサービス提供の防止、過労運転といったコンプライアンス違反の予防、万が一のトラブルや事故時の契約内容の確認などが可能になるといったメリットです。

●「実運送体制管理簿」の作成の義務化
元請のトラック事業者は、実運送事業者の名称などを記載した「実運送体制管理簿」の作成が必要です。荷主から引き受けた貨物の運送について、「(自社以外のトラックを使って運ぶ)利用運送」を行った際には、貨物の運送ごとに実運送体制管理簿を作成が必要です。ただし、自社で実運送する場合は作成不要です。

そして委託する下請け企業に対して、「下請情報」の通知を行うことも義務化されました。

これにより、元請事業者は、荷主に対して確実な輸送実績等を説明できるようになり、運賃・料金の適正化につながります。また多重下請構造の実態が明らかになることで、是正へ向けた取り組みが推進されます。

●下請事業者への発注適正化の努力義務・管理規程の作成と責任者専任の義務化
元請事業者は、下請事業者への発注適正化の努力義務が課されると共に、一定規模以上の事業者は、この適正化に関する管理規程の作成と責任者の選任が義務付けられました。

具体的には次の実施事項が挙げられます。

【健全化措置の内容】
・利用運送の費用の概算額を把握した上で、その概算額を勘案して利用の申し込みをする。
例)「いくらで運送できますか?」と下請け業者に尋ねる等

・荷主が提示する運賃・料金が概算額を下回る場合、荷主に対し、運賃・料金について交渉をしたい旨を申し出る。
例)荷主から提示された金額に不安がある場合、下請け業者に「いくらで運送できますか?」等と尋ねる。下請け業者が提示した金額が、荷主が提示した金額より上回る場合は、「ご依頼の荷物量だと、トラックを1台追加する必要があるので、価格交渉させてください」等と打診する等。

2.軽トラック事業者に対する規制的措置

●管理者選任と講習受講の義務付け
軽トラック事業者は、必要な法令などの知識を担保するために管理者を選任すると共に講習受講が義務付けられました。

●国交大臣への事故報告の義務付け
国交大臣への事故報告が義務付けられました。
そして国土交通省のホームページにおける公表対象に、軽トラック事業者に係る事故報告・安全確保命令に関する情報等が追加されました。

改正内容についての詳細は、下記の国土交通省の資料をご確認ください。
出典:国土交通省「改正貨物自動車運送事業法について」

貨物自動車運送事業法改正を受けて荷主企業が遵守すべきこと

貨物自動車運送事業法改正を受けて荷主企業が遵守すべきことをご紹介します。

●運送契約締結時の書面交付の義務化
先ほど改正内容の一つとして、トラック事業者は契約時に書面交付が義務化されたことをお伝えしましたが、これは荷主企業も同時に義務付けられています。つまり相互交付が必要です。

●交付書面に記載する必要項目
1.運送の役務の内容及び対価
2.運送契約に運送の役務以外の役務(荷役作業、附帯業務等)が含まれる場合には、その内容及び対価
3.その他特別に生じる費用に係る料金(例:有料道路利用料、燃料サーチャージなど)
4.運送契約の当事者の氏名又は名称及び住所
5.運賃・料金の支払方法
6.書面の交付年月日

交付書面はメールなどでデジタル書類での交付でも問題ないとされています。
また基本契約書が交わされている場合、その基本契約書に記載されている内容については省略しても良いとされています。

交付した書面については、その写しを一年間保存することも規定されています。

【書面交付の流れ】
例えば、基本パターンとしては、次のように図解できます。

●貨物自動車運送事業者のみが運送を受託しているケース

1.荷主Aがトラック事業者Bへ運送委託する際に書面交付
2.委託を受けたトラック事業者Bは、荷主Aへ書面交付
3.トラック事業者Bが下請けのトラック事業者Cに委託する利用運送を行う際には、トラック事業者Cに対して書面を交付します。

こちらも詳細については、下記の国土交通省の資料をご確認ください。
出典:国土交通省「改正貨物自動車運送事業法について」

まとめ

貨物自動車運送事業法は、トラック事業者だけに課されたものではなく、物流業界全体の取引の適正化や物流効率化を目指すものです。荷主企業も法令を遵守しながら、物流効率化を目指す必要があります。

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