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物流コラム

中国輸入規制の基礎知識|輸入禁止・規制品目と通関トラブル回避策

中国に“もの”を輸出する際に重要になることの一つが、中国の輸入規制を正しく理解し、通関手続きをスムーズに進めることです。書類不備や規制違反のリスクは大きくなります。

今回は、輸入規制の基本から中国へ“もの”を輸出する事業者向けに、輸入規制の概要や最新状況、中国輸出時のよくある通関トラブルと回避策を解説します。

輸入規制とは?通関の流れ

中国へ輸出する際には、まず輸入規制について正しく理解する必要があります。輸入禁止などと比べて何が違うのか、また通関手続きについても確認しておきましょう。

●輸入規制とは?
輸入規制とは、各国が自国の産業保護や安全確保のために、物品の持ち込みを制限または管理する制度のことです。

禁止や規制のルールは、国ごとの法律や各国で取り交わされている国際条約などに基づいています。規制は主に、自国産業の保護や国民の安全性、自然環境保護の観点から取り決められています。

●輸入禁止との違い
輸入規制と輸入禁止は混同されがちですが、一般的に輸入規制の種類の一つが輸入禁止です。輸入禁止は、完全に輸入できない品目です。

それに対して、輸入規制は、輸入禁止品目だけでなく、輸入に制限が設けられている、一定の条件をクリアすれば輸入が可能な品目も含みます。

●通関とは
通関とは、貨物の輸出入に際して、貨物の品目や数量、金額、輸出入先などを税関に申告し、輸出入の許可を得る手続きを指します。通関手続きを行わずに輸出入したり、虚偽の申告をしたりした場合は法令違反として罰せられるため、注意が必要です。

一般的に日本から他国へ輸出する際には、次の手順を踏みます。

1.輸出先の国の保税地域へ貨物を搬入する
保税地域とは、通関前の貨物を一時的に保管できる場所です。

2.輸入申告を行う
各国の規定に則り、輸入したい貨物の内容について申告を行います。

3.税関の審査と検査を受ける
輸出先の国の税関が申告内容を確認して審査し、貨物の検査を受けます。

4.関税などの納付
関税などを納付します。

5.輸入許可
輸入許可が下りれば貨物の輸入が可能です。

中国の輸入禁止・輸入規制の状況

中国における輸入規制や禁輸措置に関する現時点の最新情報を見ていきましょう(2026年2月初旬時点)。

●福島第一原発事故を受けた規制
農林水産省の2025年6月29日以降の資料(※1)によれば、福島第一原発事故を受け、次の規制があります。

・新潟県産精米を除く10都県のすべての食品・飼料等:輸入停止。
10都県:福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、新潟

・新潟県産精米:新潟以外の9都県以外で生産されたことを証明する「産地証明書」の添付が必要。

・37道府県のすべての食品・飼料等:中国への輸入時には日本政府が発行する証明書の添付が必要。

●牛肉の輸入再開の兆し
中国は、日本における2001年のBSE(牛海綿状脳症)発生を受け、日本産牛肉の輸入を停止していました。しかし日本が2025年7月に輸入再開の要請を行い、協議の末、再開することで一致しました。実際の輸入再開が急がれています。

●輸入禁止
すべての固体廃棄物、麻薬、動物の死体、武器、虎の骨、サイの角などについては輸入が禁止されています。

●輸入制限
主に次の品目に規制が設けられています。

・小麦、トウモロコシ、コメ、砂糖、綿花、羊毛など:関税割当管理対象。

関税割当とは、輸入量が一定数量に達するまでは無税または関税率を低くし、数量を超えた場合は関税率を引き上げる仕組みのこと。

・重点中古機械電気製品、オゾン層消耗物質、核・生物・化学・ミサイルなどのセンシティブな物質と技術、暗号化製品と暗号化技術など:輸入許可証管理対象。

輸入許可証とは、中国の商務部許可証局が発行する輸入に際して必要な許可証のこと。

ご紹介した内容はJETRO「中国 貿易管理制度」(※2)に基づいています。詳細は当該資料を参照してください。

※1出典:農林水産省「中国の輸入規制の概要(2025年6月29日以降)」
※2出典:JETRO「中国 貿易管理制度」

中国輸出時のよくある通関トラブルと回避策

中国輸出時のよくある通関トラブルと回避策をご紹介します。

●中国輸出時のよくある通関トラブル

・中国輸入禁止品に該当する
先述の通り、中国ではもともと輸入が禁止されている品目があります。また現在、輸入規制が行われている食品などもあり、禁止されていれば輸入できませんし、規制があるものは必要な手続きを行わなければなりません。

・書類不備
通関手続きでは、様々な書類の提出が必要ですが、書類不足や記載ミス、コードの誤りなどは特に多い不備です。

・検査不足
食品や化粧品、医療機器などは検査が求められることがあります。検査を受けていなかったり、必要事項に不備があったりすると、通関手続きが滞ってしまいます。

・認証・ラベル表示不備
電化製品などの認証を受けていない、ラベル表示のルール に則っていないなどの不備も起こり得ます。

・輸出許可証の未取得
品目によっては輸出許可証が求められることがありますが、取得していない場合には、不備として扱われます。

●トラブル回避策
これらの通関トラブルを回避するには、日頃から次のような予防策を進めることが欠かせません。

・チェック体制の構築
まずは輸入規制を正確に理解して、把握しておくことが肝心です。その上で必要な書類を揃えて記載漏れなく準備しましょう。また書類の不備、記入漏れや資料の添付漏れ等がないようにクロスチェックやダブルチェックなどのチェック体制を設けましょう。

・輸入者と認証についての話し合い
輸入者と認証について話し合いの機会を設けておくことも重要です。認証が必要なものがあるかどうかの相談はもちろんのこと、どのような認証が必要で、どのような法律やルールが適用されるのかなどを、現地の知見を反映しつつ、しっかりとコミュニケーションを取りながら進めていきましょう。

・知見と実績のあるパートナーに委託する
通関手続きをスムーズに進めるためには、知見と経験が求められることがあります。実績のある優良パートナーを見つけて、通関手続きを委託するのも一案です。

通関手続きのトラブルを未然に予防することで、より中国への輸出がスムーズにいくでしょう。

まとめ

中国への輸出をスムーズに進めるためには、まずは中国輸入規制を正確に理解し、常に最新情報を手に入れることが重要です。また中国輸出時の通関トラブルを未然に回避するために、社内のチェック体制構築や輸入者とのコミュニケーションなどを十分に実施しておくことが大切です。

もし中国輸出に関して不安が多い場合には、あらかじめ知見と実績のあるパートナーを見つけておくのをおすすめします。

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