医療機器・精密機器輸送の課題と解決策を解説!
振動対策・温湿度管理を徹底する最適な輸送方法

医療機器や精密機器は、輸送する際、わずかな振動や温度変化でも故障のリスクがあります。一般的に高額の機器であることから、万が一の損傷の際には損害額も大きくなってしまいます。
そこで今回は、輸送ハードルの高い医療機器や精密機器の安全かつ高品質な輸送ルートを探しているメーカーや商社の方に向け、役立つ情報をお届けします。
医療機器や精密機器の輸送課題と解決策、最適な輸送方法の選択肢、「フェリー・RORO船輸送」の有効性について見ていきましょう。
医療機器・精密機器輸送の課題
医療機器・精密機器を輸送する際には、主に次の課題があります。
人命に関わる医療機器であるため故障時にはリスクが高い
超音波診断装置や心電計、X線撮影装置、CT、MRIなどの医療機器は、精密に作られていることから、わずかな振動や衝撃などで故障するリスクがあります。人命に関わることから、万が一不具合が生じれば、リスクが高くなります。
精密機器の需要の高まりによる物流量増加
半導体を含む精密機器は特に近年、需要が高まっており、輸送ニーズも増しています。その分、輸送の機会も増えています。昨今、人手不足や物流量の増加などを背景として物流業務の負荷が増大する中でも、輸送のたびに丁寧な対応が求められています。
わずかな衝撃が致命的な故障につながる
医療機器や精密機器はデリケートであることから、ちょっとした振動や衝撃により不具合が生じる恐れがあります。また適切な温度や湿度を保たなければ、故障につながる恐れもあります。
また見た目に問題がなかったとしても、輸送中の振動や衝撃により破損や不具合が生じる恐れもあります。そのため、細心の注意を払って輸送する必要があります。
高額な貨物のため損害額も増大する
医療機器や精密機器は一般的に高価であることから、損害額も大きくなってしまいます。輸送中のわずかな振動や衝撃、温度と湿度の変化はもちろんのこと、少々、埃がつくだけでも不安が生じます。
法規制への対応
医療機器は、その輸送時にも薬機法などの規制を遵守する必要があります。輸送業者についても対応が求められます。
これらのことから、医療機器や精密機器を輸送する際には細心の注意を払い、丁寧な梱包や輸送環境を整備することが欠かせません。
医療機器・精密機器輸送の課題解決策
医療機器・精密機器輸送の課題については、次の解決策が考えられます。
振動・衝撃への対策
輸送時に振動や衝撃を最小限に留める梱包や輸送手段の選択が求められます。具体的な選択肢については後ほど解説しますので、あわせてご確認ください。
厳密な温湿度管理
医療機器の中には、温度や湿度を適切に維持しなければならないものがあります。また頻繁な温湿度変化も防ぐ必要があります。
精密機器については、半導体が使用されている場合、50%以上の湿度になると腐食やサビが発生する可能性があります。また、湿度が高い地域の輸送は検討する必要があります。
薬機法などのコンプライアンスとセキュリティ
医療機器は薬機法に基づいて輸送しなければなりません。そのため、輸送業者には、コンプライアンス(法的遵守)が求められています。また医療機器や精密機器については高価であることから、盗難のリスクはゼロではありません。セキュリティ面でも十分な配慮が必要になります。
最適な輸送方法の検討を
先ほどもお伝えしたように、医療機器や精密機器は振動や衝撃に非常に弱いことから、それらが最小限に留められる輸送手段をあらかじめ選択することが重要といえます。
機器によってその保護するべき程度が異なることから、幅広い選択肢の中から、その都度最適な輸送方法を選ぶことが理想です。
国際輸送における選択肢
医療機器や精密機器の国際輸送を検討した場合、船舶を利用する海上輸送と、飛行機を利用する航空輸送に大別されます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
・海上輸送の特徴
現在、国際輸送については、大半が海上輸送です。海上輸送は大量輸送及び長距離輸送に優れており、輸送コストを抑えることができます。
海上輸送では、国際輸送の一貫した流れの中で、国内の拠点から港までの区間はトラック輸送となりますが、CO2排出が懸念されます。しかし全体の輸送工程では海上輸送が大半を占めるため、環境負荷の低い方法です。
医療機器や精密機器を輸送する場合に、振動が少ないというメリットがあります。また温湿度管理ができる特殊なコンテナを利用することで、温度や湿度の急激な変化を低減することができます。
船舶はフェリー、RORO船、コンテナ船など、さまざまな種類があるため、それぞれの特徴を押さえておくのをおすすめします。詳細は後ほどご紹介しますので、ぜひご覧ください。
・航空輸送の特徴
航空輸送の一番のメリットは、輸送時間を大幅に短縮できることにあります。また空調を一定に保つことができるため、医療機器や精密機器を取り扱う場合、温度管理が行いやすいといえます。一方で、一度に運べる量は限られる点や、海上輸送と比べるとコストが高いというデメリットがあります。
医療機器・精密機器輸送対策の要となる振動・衝撃への対策
振動や衝撃を最小限にとどめるためには、輸送時だけでなく、荷積みや荷降ろし、陸送時など、貨物を取り扱うタイミングすべてにおいて対策を行っておく必要があります。主な方法を見ていきましょう。
・専用車両の利用
荷積みや荷卸し、陸送の際には、振動を最小限にとどめるために、リフト付ワンボックス車やエアサス車両などの専用車両を採用することが有効です。
リフト付きワンボックス車は、リフト昇降機能がついた車両で、安全にかつ容易に作業が行える車両です。ただし、利用できるのは小型に限られます。
エアサス車両とは、エアサスペンション機能を持つ車両です。エアサスペンションとは、衝撃や振動から守り、荷崩れを軽減する仕組みを持ちます。
空気圧を調整できるので、車両の高さや硬さを自由に調整できます。路面の凸凹や障害物による振動を吸収し、荷物に与える衝撃を最小限に留められます。また、荷重の均等な分散が可能であるため、車両の安定性向上による損傷リスクの低減に寄与します。
・振動・衝撃吸収技術の採用
梱包時に振動や衝撃を吸収するエアクッションや発泡スチロールなどの素材を利用することで、振動や衝撃を低減できます。
・専門物流企業へのアウトソーシング
医療機器や精密機器などの特殊な製品を専門で輸送する物流企業にアウトソーシングする方法です。プロのノウハウによって、安全に運ぶことができるでしょう。ただし、万が一の損傷や不具合のリスクを考え、十分に信頼のおける事業者を選定することが欠かせません。
「フェリー・RORO船輸送」の優位性
先にご紹介した海上輸送の種類は複数あるため、その中でも最適なものを選択する必要があります。特に医療機器や精密機器の輸送におすすめなのがフェリー輸送とRORO船輸送です。
フェリー輸送とは?
フェリー輸送とは、2つの地点の間など、特定の航路のみを定期的に運行するフェリー船を用いた輸送方法です。フェリーは旅客と貨物の両方を運ぶことができます。
スケジュールが固定されており、毎日運行している場合は、頻度が高いことから、スピーディーに輸送したい場合に利用しやすいといえます。
RORO船輸送とは?
RORO船とは、貨物用船舶の一種です。貨物を積んだトラックやトレーラーがそのまま自走して、乗り込むことができる船舶を指します。
一般的に、「海上運送法と内航海運業法に基づき届出をした、貨物または、旅客定員が12名以下の船舶のうち、貨物の積み(Roll on)下ろし(Roll off)のためのゲート(ランプウェイ)を有する貨物用の船舶」を指します。
旅客と貨物の両方を運べるフェリー輸送と比較し、RORO船は貨物のみを運ぶことができる点で異なります。
フェリー・RORO船輸送が医療機器・精密機器輸送に適している理由
フェリーとRORO船は、医療機器と精密機器の輸送に次の点から適しているといえます。
・振動・衝撃を最小限に留められる
波の揺れによる振動は、航空輸送と比べると少なく、機器へのダメージが少ないといわれています。航空輸送は、飛行機の離発着時の衝撃が懸念され、地上輸送時の衝撃も大きいことから、完全に衝撃を緩衝することは困難です。
またフェリー輸送とRORO船輸送はトラックのシャーシ(荷台)ごと船に積むため、積み替え時の落下・衝撃リスクも抑えられます。
コンテナに入れて専用の船舶で輸送する「コンテナ船輸送」と比べても、フェリー輸送とRORO船輸送は有効です。コンテナ船は港湾クレーンによって短時間で積み下ろす必要があります。大きな衝撃を避けにくい実情があり、医療機器や精密機器の輸送に適しているとはいえません。
・温湿度の大きな変動が少ない
船舶内はある程度、密閉されている空間であることから、外気の侵入が少なく、温湿度については大きな変動を避けられます。
・大型貨物にも対応可能
フェリーとRORO船は、コンテナ船に比べて大型貨物にも対応できます。コンテナはサイズが限られていることから対応できないケースが出てきてしまいますが、フェリーやRORO船であれば、コンテナに入りきらない大型の貨物にも対応できます。
・輸送コストを抑えられる
先述の通り、船舶輸送は、航空輸送と比べて輸送コストを抑えられる可能性があります。特に医療機器や精密機器は輸送コストが高くなる傾向があるため、少しでも下げられる点はメリットといえます。
これらのことから、フェリーとRORO船輸送は、医療機器や精密機器を輸送する際の有効な選択肢となるでしょう。
【関連リンク】
RORO船とフェリー輸送の違いとは
まとめ
医療機器や精密機器は特に国際輸送の多い貨物であることから、振動・衝撃予防や温湿度管理が可能な輸送手段の検討が求められます。
今回ご紹介したフェリー輸送とRORO船輸送は第一選択肢となり得るでしょう。しかしながら、これらの輸送方法についての知見やノウハウ不足であることも多いのではないでしょうか。
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