FPD製造装置の輸送課題とは?
大型・超精密機器を安全に運ぶためのポイント

近年、スマートフォンやパソコンなどに不可欠なディスプレイである「FPD」の需要が高まっており、その製造装置の利用機会も増えています。輸送が求められるシーンも多い中、繊細で巨大機器であるため、振動や衝撃の予防、および温湿度管理が欠かせません。物流担当者にとって輸送計画の立案が困難な貨物の一つではないでしょうか。
そこで今回は、FPD製造装置を国際輸送する際に直面する課題や解決策、海上輸送の一手段である「フェリー・RORO船輸送」の有効性を解説します。FPD製造装置輸送の課題を抱えている方は、ぜひ参考にされてください。
FPD製造装置とは?
まずはFPD製造装置の特徴をご紹介します。
FPD製造装置とは?
FPD製造装置とは、「FPD(Flat Panel Display/フラットパネルディスプレイ)」を製造するための装置です。FPDは液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの総称で、パソコンやスマートフォン、液晶テレビなどあらゆる製品に採用されており、世界的に需要の高い製品です。また同時に薄型化、大型化などの技術の進化発展が期待されています。
そのため、FPD製造装置の必要性も増しており、FPDの普及と進化を支えています。
FPD製造装置の特徴
FPD製造のプロセスにおいては、回路設計、ガラス基板へのパターン焼き付け、基板洗浄、カラーフィルタやセル・モジュール工程など、25種類以上の工程があります。いずれも正確さと清潔さを保ちながら高速に処理する必要があります。そのため細かな制御がされており、装置そのものの取り扱いと管理には十分な配慮が求められます。
FPD製造装置特有の輸送課題
FPD製造装置を取り扱うシーンのうち、最も注意が必要といえるのが、輸送時です。FPD製造装置特有の輸送課題を見ていきましょう。
大型・長尺・重量物であることによる特殊輸送手段・ルートの手配
FPD製造装置は大型で長尺であり、かつ重量も大きいことから、特殊な輸送手段とルートを検討する必要があります。国際輸送の場合、海上輸送または航空輸送が一般的な輸送手段となりますが、安全で最適な手段を選択する必要があります。
輸送時・積み替え時の振動・衝撃リスク
輸送時の振動・衝撃をできるだけ抑える努力が求められます。一般的に航空輸送よりも海上輸送のほうが振動が少ないといわれています。
また港や空港への輸送段階においては安易に通常のトラック輸送を行うわけにはいきません。頑丈な梱包と専用車両の利用が求められます。
国際輸送では国内輸送と比較して積み替えが多くなります。まず装置の工場から車両へ積み、港や空港で車両から船舶や航空機に積み替えます。輸送先に到着後は船舶や航空機から車両に積み替え、その後、必要に応じて積み替えが発生することもあります。このことから、振動や衝撃を受ける機会が多いといえます。
輸送時の温湿度管理が必要
FPD製造装置のような精密機器は、温度と湿度の管理も徹底する必要があります。高温・低温環境下にさらすと劣化や結露による故障のリスクがあります。
航空輸送を利用した際の高い輸送コスト
航空輸送では船舶輸送よりもスピーディーに輸送できる一方で輸送コストが高額となります。輸送時の振動リスクや梱包後の大きさなども考慮した上で、日数に余裕がある場合は船舶輸送を利用するとコストを抑えられます。
FPD製造装置特有の輸送課題の解決策
FPD製造装置特有の輸送課題を解決する際の、一般的な解決策をご紹介します。
梱包を工夫する
輸送前に振動に強く、衝撃に耐え得る梱包を施しておくことが肝心です。例えば、精密機器用や振動を抑える梱包材を使用して保護した後、防振パレットに固定し、さらに木枠や木箱で囲うなどが考えられます。
振動を防ぐ輸送方法の選択
輸送時には細心の注意を払っても、多少の振動は避けられません。振動の極力少ない手段を選びましょう。陸送はエアサス車両と呼ばれる空気バネ付きで振動や衝撃を緩和できます。
また輸送方法は、先述の通り、海上輸送と航空輸送がありますが、海上輸送のほうが振動を抑えられます。ただし、海上輸送の船舶の種類によっても、振動の程度は変わってきます。後ほど種類別の違いについて解説しますので、あわせて確認してみてください。
温湿度管理のできる輸送方法の選択
温湿度管理については、温度管理が可能なコンテナやトラックで運ぶ方法があります。また天候に応じて気温や湿度などを検討しましょう。
フェリー・RORO船輸送の有効性
FPD製造装置輸送には船舶による海上輸送がおすすめです。その中でも、コンテナ船よりもフェリーやRORO船による輸送が有効です。
船舶の種類と特徴
・コンテナ船:コンテナに貨物を格納して輸送する、貨物専用の船舶です。
・フェリー:旅客や貨物を一定の航路で定期的に輸送する船舶です。貨物を積んだトラックごと、また貨物を積んだトレーラーのみを乗船させ、輸送します。
・RORO船:貨物を積んだトラックやトレーラーがそのまま自走して、乗り込むことができる船舶です。ROROとは「Roll-on/Roll-off」の略称で、車両が自走して乗り降りすることを意味します。
FPD製造装置輸送におけるフェリー・RORO船利用のメリット
FPD製造装置の輸送にフェリー・ROROを利用することは、次のようなメリットがあります。
・ダメージを極限まで減らせる
FPD製造装置をトレーラーに積載したまま船に乗り込めるため、港でのクレーン等による「積み替え作業」が発生せず、FPD製造装置へのダメージを極限まで減らせます。
一方、航空機による航空輸送やコンテナ船は、積み替え工程が発生するため、振動・衝撃のリスクが高まります。
コンテナ船は、港湾クレーンによって短時間で積み下ろす必要があり、精密機器の輸送に適しているとはいえません。
・温湿度の大きな変動が少ない
船舶内はある程度密閉されている空間であり、外気の侵入が少ないのが特徴です。温湿度については大きな変動が少なくて済みます。
・大型貨物にも対応可能
フェリー輸送とRORO船は、航空機やコンテナ船に比べて大型貨物にも対応できる点で優れています。航空機やコンテナ船の場合、装置が入りきらないこともあります。
これらのことから、フェリーとRORO船輸送は、FPD製造装置輸送の際の有効な選択肢といえます。
【関連リンク】
RORO船とフェリー輸送の違いとは
まとめ
FPD製造装置の輸送は振動・衝撃予防や温湿度管理が可能な輸送手段の検討が求められます。
今回ご紹介したフェリー輸送とRORO船輸送は第一選択肢となり得るでしょう。しかしながら、これらの輸送方法についての知見やノウハウ不足であることも多いのではないでしょうか。
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