物流業界の現状の課題とは?
各課題のポイントと対策を徹底解説!

1. 物流業界を取り巻く現状とは?
物流業界はこれまでも慢性的な人手不足が課題とされてきましたが、近年の社会環境の変化によってその状況はさらに深刻化しています。特に新型コロナウイルスの影響により、EC市場の需要は急拡大し、宅配による荷物の取扱個数は年々増加を続けています。
需要が高まり続ける一方で、2024年4月からは働き方改革関連法に基づく労働時間の規制が適用され、長距離トラックドライバーの収入減や他業界への人材流出がが生じました。また、国土交通省が削減目標を掲げている「再配達」についても目標未達の状況が続いており、ドライバーの業務負担やコスト増大の要因となっています。
さらに現在では、この「2024年問題」にとどまらず、法改正により荷主企業にも物流効率化の取り組みが義務付けられる「2026年問題」が目前に迫っています。輸送能力の低下による物流の停滞(物流クライシス)が危惧される中、物流業界が直面している現状を深く理解し、荷主と物流事業者が一体となって適切な対策を講じることが急務となっています。

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2. 物流業界が抱える5つの主な課題
ここでは、現在の物流業界が抱える主な5つの課題について詳しく解説します。
2-1. 慢性的なドライバー不足と高齢化
物流業界の課題として最も深刻なのが人材不足です。トラックドライバーは、全産業の平均と比較して労働時間が長いにもかかわらず、所得額は低い傾向にあり、慢性的な人員不足に陥っています。さらに、若者の車離れや、2017年の準中型免許の新設によってトラック運転へのハードルが上がったことも人材確保を難しくしています。また、既存ドライバーの高齢化が進んでおり、彼らの退職に伴って今後さらにドライバー不足が加速すると考えられます。
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2-2. 長時間労働と労働環境の問題
トラックドライバーは、納品までの配達時間や納品場所での待機時間が長く、1件あたりの拘束時間が長くなりやすいという問題があります。加えて、商品の荷下ろしや指定場所への格納といった手荷役の作業負担も大きく、過酷な労働環境となっています。こうした長時間労働と業務負担の重さが、「2024年問題」の引き金にもなり、物流業界の課題を根深いものにしています。
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2-3. 小口配送の増加による積載率の低下
EC市場の成長や顧客ニーズの多様化に伴い、多頻度小ロットでの配送や、時間指定・即日納品といった高いサービスレベルが求められるようになりました。これにより個別配送や再配達が発生しやすくなり、トラックの積載率が著しく低下すると同時に、走行時間も延びてしまっています。積載率の低下は、利益率を圧迫するだけでなく、無駄なエネルギー消費にも繋がります。
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2-4. 環境問題(CO2排出量削減)への対応
脱炭素社会の実現に向け、サプライチェーン全体での環境負荷低減が求められています。日本全体における運輸部門のCO2排出量は18.6%と産業部門に次いで多くなっていますが、部門別で比較すると物流部門のCO2削減率は最も低く、環境対応が遅れている状況です。近年では荷主企業にとっても、自社だけでなくサプライチェーン全体の排出量(スコープ3)削減がESG投資の観点から急務となっており、環境に配慮した物流網の構築が求められています。
2-5. デジタル化・物流DXの遅れ
物流業界では、長年の経験に基づいた作業ノウハウが属人化しており、現場や作業者ごとに作業手順が個別最適化されていることが多いのが実情です。デジタル化や物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性は認識されているものの、IT・デジタル分野の専門人材が不足していることや、古い基幹システム(レガシーシステム)からの脱却が進まないこと、日々の業務が逼迫してDX推進に充てる時間が確保できないことなどが原因で、システムの導入がなかなか進んでいないという課題があります。
3. 物流効率化に向けた行政の取り組み
物流業界の課題解決に向けては、民間企業だけでなく行政も積極的に支援や仕組みづくりを進めています。
3-1. 国土交通省・経済産業省が推進するガイドライン
国土交通省などの行政機関は、物流の効率化を強力に後押ししています。例えば、自然災害など緊急事態が発生した際に物流網を維持するため、「荷主と物流事業者が連携した BCP 策定のためのガイドライン」や「多様な災害に対応したBCP策定ガイドライン」を策定し、事業継続計画(BCP)の導入を推進しています。また、荷役作業の効率化や積載率向上のために、パレットの標準化や複数荷主による共同配送、輸送網の集約などを推奨しています。
3-2. 課題解決に活用できる補助金や支援策の動向
行政は、ガイドラインの策定だけでなく、具体的な資金面の支援も行っています。国土交通省は、環境負荷が小さく省人化につながる輸送手段への転換を促す「モーダルシフト等推進事業費補助金」の交付などにより、物流事業者を支援しています。また、物流総合効率化法において認定された共同配送や輸送網の集約などの事業に対しては、補助や税制特例、中小企業に対する長期無利子貸付制度などの手厚い支援措置が設けられており、国を挙げて物流課題の解決に向けた環境整備が進められています。
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4. 法規制のアップデート:次なる課題への備え
物流業界では、法改正への対応も継続的な課題です。最新の動向を把握し、経営戦略として備える必要があります。
4-1. 2024年問題から「2026年問題」へ
トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用された「物流2024年問題」は多くの企業に影響を与えましたが、現在物流業界の課題は、さらに抜本的な対策が求められる「物流2026年問題」へと移行しています。2026年4月に本格施行される改正物流効率化法では、物流事業者だけでなく荷主企業に対しても、経営レベルで物流の効率化に取り組むことが義務付けられます。
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4-2. 法改正が荷主・事業者の実務に与える影響
改正法により、一定規模以上の荷主や物流事業者は「特定事業者」に指定され、物流統括管理者(CLO)の選任や、中長期計画の作成、定期報告などが義務付けられます。国の判断基準に満たない場合は、勧告や公表、さらには罰金などの命令が下されるリスクもあり、組織体制の抜本的な見直しが必要です。
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5. 物流業界の課題を乗り越えるための解決策
複雑化する課題を解決するためには、ハード・ソフト両面からの見直しが不可欠です。
5-1. 労働環境の改善と業務効率化
物流現場の負担を軽減するためには、荷待ち時間の削減や荷役作業の効率化が求められます。適切なリードタイムの設定や、トラック予約受付システムの導入によって車両の集中を避け、ドライバーの待機時間を短縮することが重要です。また、パレットなどの荷役機器の導入や事前出荷情報の共有によって、手荷役による重労働を削減し、労働環境を抜本的に改善する必要があります。
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5-2. 物流DX(システム・ツール導入)の推進
属人化を解消し、業務を効率化するための物流DX推進は不可欠です。倉庫管理システム(WMS)や配車管理システム(TMS)の導入により、アナログな紙業務を廃止し、在庫のリアルタイム管理や最適なルート策定を行うことができます。さらに、ピッキングロボットや画像認識技術を用いた検品の自動化、さらにはサプライチェーン全体の情報を可視化するプラットフォームの導入など、最新技術の活用も人手不足解消の有効な手段となります。
5-3. モーダルシフトや共同配送の導入
輸送コストの高騰やCO2排出量の問題に対しては、複数の企業が協力して1台のトラックやコンテナに荷物を混載する「共同配送」が効果的です。これにより積載率が飛躍的に向上し、必要な車両台数を減らすことができます。また、トラック輸送からフェリーや鉄道などの大量輸送機関へ切り替える「モーダルシフト」も非常に有効です。特にフェリーによるトレーラー輸送は、海上区間を無人航送できるため大幅な省人化・コスト削減が実現でき、CO2排出量もトラックよりも大きく抑えることが可能です。
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6. 関光ロジNEXTが考える、今後の物流業界の将来展望
長年、フェリー輸送を通じた物流効率化に携わってきた関光ロジNEXTは、物流業界の課題を乗り越えた先の未来を次のように展望しています。
6-1. 災害時にも止めない「変化に強い物流網(BCP対策)」の構築
近年頻発する大規模な自然災害において、道路や鉄道などの陸上インフラが寸断され、物流網が機能不全に陥るリスクが高まっています。私たちは、平常時から陸上輸送と並行して海上輸送(フェリー輸送)を活用することが、非常に強力なBCP対策になると考えています。過去の豪雨災害時にも、海上ルートによって規制エリアを迂回し、輸送を継続できた実績があります。今後は、有事の際にもサプライチェーンを維持できる「変化に強い物流網」の構築が、すべての企業の必須課題となると確信しています。
6-2. フェリー輸送・複合一貫輸送がもたらす持続可能性
「海より速く、空より安く」をモットーとする当社のフェリー輸送・複合一貫輸送は、経済性と環境負荷低減を両立する持続可能な物流の鍵となります。トラック輸送への依存度を下げることで、深刻なドライバー不足(2024年問題・2026年問題)に対応できるだけでなく、脱炭素社会の実現にも直結します。関光ロジNEXTは、長年の現場経験に基づいた独自の海上ネットワークを活用し、未来に向けたサステナブルな物流の実現を強力にサポートしてまいります。
7. まとめ
物流業界は現在、2024年・2026年問題や人材不足、環境問題など、かつてないほどの大きな転換期を迎えています。これらの課題は、物流事業者だけの問題ではなく、荷主企業も含めた社会全体で協力して解決していくべきものです。最新の法規制や行政の動向を正確に把握し、共同配送やモーダルシフト、物流DXといった最適な解決策を経営戦略として取り入れることが求められています。
関光ロジNEXTでは、フェリー輸送を通じたモーダルシフトや、共同配送の構築など、お客様の物流課題を解決するための最適な提案を行っています。物流の効率化やコスト削減、BCP対策についてお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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